患者様に対して親しみのある丁寧な対応を心がけている

手術の巧みさだけではなく、目の前の患者と向き合う姿勢も医師にとって不可欠な技術であるという矢沢慶史副院長にインタビューさせていただきました。

父親の背中を見て育った幼少時代

編集部 矢沢先生が医師を志したきっかけは何だったのでしょうか。
矢沢 父親も医師で、わたしが五歳のときには自宅を兼ねた診療所で開業医をしていました。毎日のように医師である父親の姿を見て育ったので、医師を志すことは自分にとって自然な選択だったように思います。もちろん医師である父親に対する憧れもありました。わたしは幼い頃にふざけて遊んでいたら、額をぱっくりと切ってしまったことがあるのですが、父親がその傷をきれいに縫ってくれたことがあり、その様子を見て格好良いなと思いました。漠然とではありましたが、外科医に憧れたのだと今振り返ってみて思います。

形成外科と美容外科

編集部 医師になられてからはどのようなキャリアを歩まれたのですか。
矢沢 医師としてのキャリアは今年で19年になりますが、医師になった当初は一般外科医を目指していました。初期研修(はじめの2年間の研修期間)で外科を回っていたとき、形成外科医局から外科研修に来ていた先生と一緒に仕事をしたのですが、その先生は「いかにして表面の傷を目立たないようにするか」をモットーとされていました。今はそうではないかもしれませんが、当時外科医といえば「とにかく治すこと」が一番で、審美的な面を追求しようという発想は私にとって新鮮でした。そのことがきっかけで形成外科医を目指そうと思いました。そして、入局した北里大学形成外科教室は、美容外科医としてご高名な先生方が多く在籍しており、その影響を受け、自分も美容外科を専門としていくことになりました。大学病院にいた頃の形成外科医としての経験や技術は、今の美容治療に確実に活きていると日々実感しています。

美容医療で大切なこと

編集部 矢沢先生が美容医療において大切にしていることを教えてください。
矢沢 まずは医師の医療技術が最も大切だと思います。技術といっても手先が器用ということだけではなく、患者様の要望を理解し、美容医療でできる範囲で、自他ともに満足のいく結果を出すことができる技術です。保険診療の治療ならば怪我を治すこと、マイナスをゼロにすることが明確なゴールとなります。しかし、美容医療においてはそうではありません。ゴールは患者様ごとに違い、医師にとっての百点と患者様にとっての百点が、必ずしも同じとは限らないのです。そのため、わたしはカウンセリングにおいて、患者様の悩みや希望をいかに引き出すかに重点を置いています。患者様に本音を話していただけることが、医師であるわたしと患者様の両者が、本当に満足できる美容医療を提供できるのだと思っています。

相手の立場に立ったカウンセリング

編集部 来院された患者さんと、初めて顔を合わせる機会となるカウンセリングを矢沢先生はどのように行っていますか。
矢沢 何より丁寧な対応を心がけています。ただ、丁寧な対応というのは、実際どうすれば良いのか意外と難しいと思いますが、わたしは相手の立場を常に意識した対応だと考えています。診療中はもちろん、治療のときも、患者様目線を意識しながら立ち振る舞うようにしています。

良いクリニックの選び方

編集部 これから美容医療を受けようという方に、クリニック選びにおいて大切な点をお話しください。
矢沢 今はネットの情報が豊富で、充分調べてからいらっしゃる患者様も増えてきたように感じます。反面、非医療従事者による誤った情報も多く、混乱があるのも事実です。大切なのは、実際に診察を受けた際に医師と充分に話をすることです。疑問点があれば、遠慮せずに質問をされると良いと思います。

今まで出会ったお客様で印象的な方たち

編集部 これまで治療してきた患者様の中で印象に残っている方はいますか。
矢沢 二人思い浮かびます。 一人目は大学医局に在籍していた頃のことです。救急搬送された女性の方でしたが、飼っていた大型犬に顔中を咬まれ、大変な状態でした。上司の先生に全ての予約患者を代診していただき、3時間かけて治療を行いました。その甲斐あって、傷をほとんど残すことなく治すことができました。そのあと、わたしは遠方の病院に転勤となったのですが、その患者様はわたしに会うために、ご夫婦ではるばる診察に来てくださいました。治療の結果を非常に喜んでくださり、形成外科医になって良かったと思いました。 二人目は美容外科でのことです。わたしを大変信頼していただき、様々な美容手術や美容皮膚治療を受けていただいた患者様がいらっしゃいます。そのようなご縁から、今ではご自宅に招いていただくほど仲良くさせていただいております。感謝とともに、深い信頼を寄せていただいていることに、医師として大変うれしく思っております。

ブログで最新の情報を常に発信

編集部 ホームページでブログを公開されていて、その中で治療に関する最新の技術や設備について情報を発信されていますね。
矢沢 やはりわたしたち医師にとって大切なことは、患者様に情報を伝えることだと思います。これは先ほど申し上げたクリニック選びにも関係しますが、ある程度の情報量がなければ患者様も判断できないのではないでしょうか。これからも積極的に情報を発信していきたいと考えています。
編集部 ブログではプライベートなことも書かれています。見る人は先生の内面も知ることができて親しみを持てるのではないでしょうか。
矢沢 食べることが好きなので、学会で日本全国いろいろな場所を訪れたときにはそこで食べたものを紹介しています。医師も患者様と同じ人間であることを知っていただければ、カウンセリングの際にリラックスしていただけるかもしれません。
編集部 学会にはよく出席されるのですか。
矢沢 ブログにも書いていますが、出席している頻度は決して少なくないと思います。新しい技術や知識を学ぶうえで、学会は欠かすことができません。また、その場では大学時代の同期や同僚と顔を合わせることもできるので、それぞれが現場で培った情報を持ち合って互いの見識を高め合っています。

座右の銘 【外柔内剛】

矢沢 患者様に対して親しみのある態度で丁寧に接し、施術には医師としての誇りと技術を持って臨む、そういう姿勢で医学を究めていきたいです。

まとめ

  • 「傷跡を美しく治療する」形成外科の精神が根底にあります
  • 志しているのは医師として総合的な技術を持って臨むということです
  • 相手の立場を常に意識した丁寧な対応を心がけています